この記事では、大奥:完結?最終回、ネタバレを含む最後のラストシーンの結末!|ファンが徹底考察!?をご紹介しております。
大奥の約17年に渡って続いていたこの作品は、2016年、19巻を最後に完結しています。
大奥とは
『大奥』(おおおく)は、よしながふみが描いた少女漫画で、日本の江戸時代を舞台としたフィクション作品です。連載は2004年から2021年まで続き、多くの漫画賞を受賞しました。
また、ジェンダーに対する理解を深める内容が評価され、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞も受賞しました。コミックスの累計発行部数は2023年6月時点で700万部を超えています。
『大奥』の作風は、江戸時代の設定を背景に、男子の人口が激減するという架空の疫病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」の影響を描いています。この疫病により、社会の運営や権力が男性から女性へと移行していく様子が描かれます。
歴史上の男性人物が女性に、女性人物が男性に置き換えられており、特に江戸城の大奥を中心にストーリーが展開されます。
徳川三代将軍家光の時代に始まり、八代将軍吉宗の時代までの出来事が描かれています。赤面疱瘡の流行により、男子の人口は女子の1/4にまで減少し、男子は貴重な存在となります。女子は全ての労働を担い、将軍職も女性が継ぐことになります。
また、本作はメディアミックスも展開されており、実写映画やテレビドラマ、アニメ化もされています。2023年にはNHKの「ドラマ10」枠でドラマ化され、同年6月からはNetflixにてアニメが配信されました。
このように『大奥』は、架空の疫病が引き起こす社会の変化を描いた歴史改変SF作品であり、多くの読者に支持されています。読者は江戸時代の背景を感じつつ、ジェンダーに対する新たな視点を得ることができます。
大奥 :完結しているか?をご紹介
約17年に渡って続いていた作品は、2016年、19巻を最後に完結しています。3代将軍家光の時代から、15代将軍慶喜の時代まで、各将軍家に焦点を当てて、世相を切り取り、その時代時代の大奥の在り方を男女逆転という舞台設定で描ききって完結しています。
性別、身分……変えることのできない不文律の中でも逞しく道を切り開いていこうとする人々の、綺麗事では片付けられない人生が丁寧に紡がれています。
大奥には美男三千人……そんなキャッチフレーズに惹かれてこの作品を手に取り、そのスケールの大きさに圧倒された読者は少なくないはずです。精緻な歴史取材とフィクションとを絶妙な匙加減で織り交ぜ、3代以降14代まで全て女性が幕府を支えていた、という奇抜な発想ながら、正に今、時宜を得た作品であろうと言えます。
大奥 :完結?ネタバレを含むあらすじ・見どころをご紹介
三代将軍家光の時代、赤面疱瘡という謎の感染症が流行ります。それは男子にのみ感染するという、もちろん架空の感染症です。しかしながら、働き手を失った日本は、代わりに疱瘡に感染しない女達が舵を取っていくこととなります。
将軍家も、老中達も、幕府を動かし、権力を握るのは全て女。史実に基づく歴史の移ろいの中で、女のために、 貴重な男は種馬として利用される? そんな男女逆転した世相ならではの愛憎劇が生まれます。
実は架空の赤面疱瘡は、そのまま天然痘の発現ともリンクし、中盤以降では、田沼意次の指揮のもと、疱瘡の撲滅に向けて医師達が動き出すこととなります。
やがては成功し、黒船来航と共に、男子の数を増やして外国の脅威に備えなくてはならないと、男子が再び表舞台に立ちます。こうして感染症を克服し、徳川幕府の終焉と共に女の時代は幕を閉じ、完結していきます。
大奥 :完結?最終巻(漫画)のネタバレを含むストーリーをご紹介
15代将軍・慶喜によって大政奉還がなされ、西郷と勝の間で進む江戸城を巡る交渉の果て、江戸城は無血開城する事に。しかしながら、それまで男達が女将軍の為に大奥に仕えていたという記録は焼き払われてしまいます。男が大奥にいた記録は、この世から抹消されて完結します。
14代家茂公御台所である和宮は、元々弟の身代わりとして男装していたものから女性の姿に戻り、大奥総取締の瀧山、天璋院篤姫こと胤篤、瀧山の部屋子である仲野は、次の世界を目指して船出をします。女は女に、男は男に、戻るのです。しかしそれは、女が男の庇護下に置かれる……そんな時代が始まることをも意味しているのです。
四年後、アメリカを目指す船上で、洋装の三人は商談に。その船団の中には、後に津田塾大学を開く津田梅子と思しき少女の姿が。女であっても未来を切り開くことができると、胤篤は自分がかつて将軍家の御台所であったことを囁き、少女の背中を押すのでした。
大奥 :完結?ラスト(ドラマ(フジテレビ):2003年)のネタバレを含むストーリーをご紹介
菅野美穂さんが天璋院篤姫を演じる2003年版。大奥総取締役・瀧山には浅野ゆう子、篤姫が信をおくようになる部屋子に池脇千鶴と、演技派女優が顔を揃えています。
大奥を材料にした多くの映画作品が作られていますが、このドラマでは女達の悲喜こもごもや背景、その後の生き方にも焦点が当てられ、壮絶なバトルを繰り広げる内容は、とても衝撃的でした。
原作とは違い、定法通りの女の牢獄として大奥が書かれ、江戸城開城によって女達の鎖が断ち切られていく様子が書かれ、完結しています。
幕末の史実に基づき、篤姫、和宮(安達祐実)、和宮の姑にあたる実成院(野際陽子)をそれぞれ旗印とするバトルが繰り広げられていきますが、明治にはそれもまた無意味であり、市井に生き、再会をした女達は昔を懐かしむように話に花を咲かせ、心を通わせていくのでした。
大奥 :完結?ラスト(ドラマ(フジテレビ):2004年)のネタバレを含むストーリーをご紹介
ドラマ版の2004年大奥は、まさにこの作品の根幹である3代将軍・家光の時代を描いたものです。母(高島礼子)に愛されぬ嫡子・家光と、何とか将軍家へ押し上げ、次代を担う子を産ませて徳川の世を盤石とせしめるかに爆走する春日局(松下由樹)。この二人を旗印に、徳川家の次代のために利用される女達の愛憎が渦巻き、悲劇の連鎖を産み続けます。
嫡子を産んだ母は、またその次の代へと繋ぐために鬼となり、大きな権力を握ってまた次の女を大奥という牢獄に押し込め……このドラマも、男女逆転することなく、正史の通りに紡がれていき、春日局の壮絶な死によって完結します。
家光が疱瘡にかかった折りに薬断ちを誓った春日局は、病に倒れてもなお口にすることはなく、大奥の今後、将軍家の今後を屹と言い聞かせて旅立ち、このシリーズは完結します。正に、後に200年以上続いていく大奥の幕開けに相応しい、壮大なスケールのドラマでした。
大奥 :完結?ラスト(ドラマ(フジテレビ):2005年)のネタバレを含むストーリーをご紹介
時代は移り、5代将軍綱吉の時代。5代将軍綱吉と言えば、天下きっての才人で知識人、男女問わない好事家としても知られています。
この作品でも、既に夫のいる身である牧野成貞の娘・安子に横恋慕をするところから始まり、稀代の佞臣・柳沢吉保と正室・信子、娘を産んだお伝の方、それこそ大奥内が朝廷派と桂昌院派だけに止まらず、皆が綱吉に対して腹に一物溜めた状態での愛憎が繰り広げられていきます。
2003年版の史実に忠実な描き方というよりも、綱吉を母に頭の上がらない節操のない暗君と位置付け、皆の恨みが集中するような描き方になっています。やがて、正室の信子に口移しに毒薬を含まされたと思いきや、命拾いして自ら安子が柳沢に向けた刃の前に身を投げ出します。
全ては自分の罪だと、安子に詫び、また画策した柳沢を許すように言い残し、絶命します。綱吉の死が、女達の業や恨みを全て背負って昇華させていくようにして、物語は完結します。
大奥 :完結?最終回(ドラマ(フジテレビ):2024年)のネタバレを含むストーリーをご紹介
19年ぶりの放送で、主役である東山天皇の皇子・閑院宮直仁親王の娘・倫子を演じるのは、若手注目株の小芝風花さんです。名君・8代吉宗公亡き後、孫にあたる家治と政略結婚し大奥入りをするところから物語は始まります。
フジテレビで放送される大奥は、陰謀に翻弄される人達の悲しい人生に焦点を当てたもので、原作漫画が基というよりは、オリジナルストーリーと言ってよいでしょう。
真っ直ぐな気性の倫子、中々人に心を開こうとしない家治。大奥取締・松島の暗躍に、稀代の宰相・田沼意次も暗躍します。更には将軍家に近い血筋である松平定信も……。
血の通わない夫婦をあざ笑うかのような側室擁立、懐妊。やがて家治と倫子は心を通わせた本物の夫婦となりますが、家治は若くして死去。田沼も失脚します。
全ての黒幕であった松平定信には倫子自ら引導を渡し、10年後に倫子が育てた豊千代が家斉として将軍を継ぎ、物語は完結します。
大奥 :完結?ラスト(スペシャル〜もうひとつの物語(2006年))のネタバレを含むストーリーをご紹介
映画版「大奥」のスピンオフとして放映されたドラマです。これまでのシリーズに登場した絢爛豪華な女優達が、新たに6代将軍家宣治世下の登場人物として登場し画面が賑わう中、深田恭子が家を助けるために大奥入りをする下級武士の娘・おまんを演じます。
新参者として恒例のイジメにあうおまんは、おしのという友人ができますが、おしのには思い合う男が……しかしおしのは将軍に見初められて側室に。おしのと想い人との架け橋役として便りを仲立ちすることで、将軍暗殺計画に加担する形になってしまったおまん。
結局はおしのの男は暗殺一派の一味であり、おしのとともに亡くなります。やがておまんは中臈にまで出世、舞台は仲間由紀恵主演の映画へとバトンタッチされ、完結します。
大奥 :完結?ラスト(「第一部〜最凶の女〜」/「第二部〜悲劇の姉妹〜」(2016年))のネタバレを含むストーリーをご紹介
どちらも11代将軍家斉治世下のお話です。主役は時のお騒がせ女優こと沢尻エリカです。第一部では、10代将軍と家治と側室の娘でありながら、育ての父親と共に絶大な権力をほしいままにして大奥への復讐を果たすお美代の方を。
第二部では、音に聞こえし美貌で、性格の正反対な妹・歌と家斉の寵愛と権勢を争い合いながらも、結局は妹を思う姉として命を絶つ梅を、それぞれ演じ、完結しています。
オットセイ将軍などと揶揄される家斉の、まだ若かりし頃の話であり、後継ができぬ大奥に、欲に目が眩む大人達の陰謀の芽が育っていきます。家斉に取り憑く家治の亡霊が、絶妙な物語のスパイスとなり、家斉と女達を翻弄していきます。
妹と争いながらも最後まで優しく純粋な梅、そして両親の敵討ちの為に大奥入りをして権勢を手に入れたお美代の方。二人の全く個性の違う女性を、沢尻エリカが見事に演じ分けています。
大奥 :完結?ラスト(大奥 最終章(2019年))のネタバレを含むストーリーをご紹介
フジテレビ開局60周年特別企画として放送されたドラマで、8代将軍吉宗公治世です。吉宗の亡き側室の子らを育てる側室・お久免の方を、木村文乃が好演。心通い合う夫婦でありながら、地位と権力に翻弄されます。
時は財政難。享保の改革を断行し、大奥のテコ入れも果たすが、かつての権力者で吉宗擁立の立役者でもある6代将軍の寡婦・天英院、7代将軍の生母である月光院は不満を募らせ暗躍します。吉宗の子の暗殺未遂、将軍家の首のすげ替えなど、大奥の権力闘争をよそに、久免は逞しく家を切り盛りし、夫を支えます。
権力闘争を躱す為にも空いたままの正室の座に周りが養女竹姫を進めても、吉宗は久免を愛すが為に他家への輿入れを決めてしまう程に、大奥のこれまでにない夫婦愛が描かれ、完結します。
これまでの大奥シリーズに出演していた俳優達が顔を揃え、2癖も3癖もある濃いキャラ達を好演し、迫力に満ちた作品となっています。
大奥 :完結?最終回(ドラマ(フジテレビ):2024年)のネタバレを含むストーリーをご紹介
19年ぶりの放送で、主役である東山天皇の皇子・閑院宮直仁親王の娘・倫子を演じるのは、若手注目株の小芝風花さんです。名君・8代吉宗公亡き後、孫にあたる家治と政略結婚し大奥入りをするところから物語は始まります。
フジテレビで放送される大奥は、陰謀に翻弄される人達の悲しい人生に焦点を当てたもので、原作漫画が基というよりは、オリジナルストーリーと言ってよいでしょう。
真っ直ぐな気性の倫子、中々人に心を開こうとしない家治。大奥取締・松島の暗躍に、稀代の宰相・田沼意次も暗躍します。更には将軍家に近い血筋である松平定信も……。血の通わない夫婦をあざ笑うかのような側室擁立、懐妊。やがて家治と倫子は心を通わせた本物の夫婦となりますが、家治は若くして死去。
田沼も失脚します。全ての黒幕であった松平定信には倫子自ら引導を渡し、10年後に倫子が育てた豊千代が家斉として将軍を継ぎ、物語は完結します。
大奥 :完結?ラスト(スペシャル〜もうひとつの物語(2006年))のネタバレを含むストーリーをご紹介
映画版「大奥」のスピンオフとして放映されたドラマです。これまでのシリーズに登場した絢爛豪華な女優達が、新たに6代将軍家宣治世下の登場人物として登場し画面が賑わう中、深田恭子が家を助けるために大奥入りをする下級武士の娘・おまんを演じます。
新参者として恒例のイジメにあうおまんは、おしのという友人ができますが、おしのには思い合う男が……しかしおしのは将軍に見初められて側室に。おしのと想い人との架け橋役として便りを仲立ちすることで、将軍暗殺計画に加担する形になってしまったおまん。
結局はおしのの男は暗殺一派の一味であり、おしのとともに亡くなります。やがておまんは中臈にまで出世、舞台は仲間由紀恵主演の映画へとバトンタッチされ、完結します。
大奥 :完結?ラスト(「第一部〜最凶の女〜」/「第二部〜悲劇の姉妹〜」(2016年))のネタバレを含むストーリーをご紹介
どちらも11代将軍家斉治世下のお話です。主役は時のお騒がせ女優こと沢尻エリカです。第一部では、10代将軍と家治と側室の娘でありながら、育ての父親と共に絶大な権力をほしいままにして大奥への復讐を果たすお美代の方。
第二部では、音に聞こえし美貌で、性格の正反対な妹・歌と家斉の寵愛と権勢を争い合いながらも、結局は妹を思う姉として命を絶つ梅を、それぞれ演じ、完結しています。
オットセイ将軍などと揶揄される家斉の、まだ若かりし頃の話であり、後継ができぬ大奥に、欲に目が眩む大人達の陰謀の芽が育っていきます。家斉に取り憑く家治の亡霊が、絶妙な物語のスパイスとなり、家斉と女達を翻弄していきます。
妹と争いながらも最後まで優しく純粋な梅、そして両親の敵討ちの為に大奥入りをして権勢を手に入れたお美代の方。二人の全く個性の違う女性を、沢尻エリカが見事に演じ分けています。
大奥 :完結?ラスト(大奥 最終章(2019年))のネタバレを含むストーリーをご紹介
フジテレビ開局60周年特別企画として放送されたドラマで、8代将軍吉宗公治世です。吉宗の亡き側室の子らを育てる側室・お久免の方を、木村文乃が好演。心通い合う夫婦でありながら、地位と権力に翻弄されます。
時は財政難。享保の改革を断行し、大奥のテコ入れも果たすが、かつての権力者で吉宗擁立の立役者でもある6代将軍の寡婦・天英院、7代将軍の生母である月光院は不満を募らせ暗躍します。吉宗の子の暗殺未遂、将軍家の首のすげ替えなど、大奥の権力闘争をよそに、久免は逞しく家を切り盛りし、夫を支えます。
権力闘争を躱す為にも空いたままの正室の座に周りが養女竹姫を進めても、吉宗は久免を愛すが為に他家への輿入れを決めてしまう程に、大奥のこれまでにない夫婦愛が描かれ、完結します。
これまでの大奥シリーズに出演していた俳優達が顔を揃え、2癖も3癖もある濃いキャラ達を好演し、迫力に満ちた作品となっています。
大奥 :完結?ラスト(ドラマ(NHK):Season1)のネタバレを含むストーリーをご紹介
原作漫画に忠実に、男女逆転を描いたドラマになっています。冨永愛演じる8代将軍吉宗治世下から物語は始まります。
突然の感染症蔓延のために、男女比が崩れ、男の胤が高値で求められるような時代になり、吉宗もまた世継ぎの為に気に入った男を褥に招く……やがて没日録という、男女逆転に至る経緯が書かれた書物を8代将軍が紐解き、3代将軍家光の死を伏せて少女を擁立したところに舞台が移ります。
意思に反し、将軍として生きることを強いられる3代将軍家光から5代将軍綱吉までの物語です。しかしその記録は、幕府存続のために心を鬼にし、悲しみに蓋をするように権力を持つ女将軍、屈辱に塗れながらも側近くに使える大奥の男達それぞれに、相手を思う愛が込められていることが知れる切ないまでの愛の記録でした。
8代将軍までの前半分としてドラマは完結しています。
大奥 :完結?ラスト(ドラマ(NHK):Season2)のネタバレを含むストーリーをご紹介
シーズン1では、赤面疱瘡に対抗するすべもなく、ただ狼狽えて後継を残すことだけに汲々としていましたが、今シーズンでは冒頭に8代将軍が逝き、感染症を克服して正史通りに世の中を戻すまでの後半、言わば感染症との「攻め」の戦いが描かれます。
蘭学の知識が流入し、歴史にもその名が高い平賀源内が登場します。後押しをしていた田沼意次もやがて失脚、医療に命をかけた面々は志半ばで権力者達に踏みにじられ、非情な仕打ちをされます。
田沼失脚後も、一橋治済はじめ、権力闘争に余念のない面々をよそに、将軍家斉は人痘接種の再開と普及を決めます。
そうなるとあっという間に女が男に押さえつけられる時代に……原作が突きつけた性別という枠が何なのかを問いながらも、希望の芽を見つめて明治の世へと扉を開けて完結します。
大奥 :完結?最終回、ネタバレ①大奥はなぜ男子が禁制されたのか?をご紹介
そもそも丈夫な後継を安定的に誕生させる為に、将軍家の食指が動かなくてはなりません。ということは、選りすぐりの美女が集まりますから、男子がいては必ず間違いが起こります。世継ぎの胤に、僅かな疑念も湧くようなことがあってはなりません。
また、権力維持のために、諸藩の姫と繋がりを持つことも重要でしたので、男子を入れることで大奥ひいては幕府の情報が漏れるようなことは決してあってはならないのです。但し、七ツ口という長局と広敷の境目までは、品物を納入する商人や物を運ぶ男手が出入りをしていました。
しかしその警備、出入りのチェックはとても厳しいもので、7代将軍治世の大奥総取締役・江島が、最高権力者としての鑑札を利用し、役者の生島新五郎を長持ちに隠して搬入させ、大奥内で関係を持った大疑獄事件は、その厳しい警備を逆手に取ったと言えます。
また、お宿下がりや、寺社への参詣など、限られた回数しか他出できない女達は男に免疫がなく、手も無く籠絡されて寺を舞台にした乱倫事件を起こした記録もあるほどです。
大奥 :完結?最終回、ネタバレ②大奥は何のためにあったのか?をご紹介
徳川家ひいては幕府存続の為、唯一無二の血筋として徳川将軍家は継承され続けなくてはならない……初代家康が神格化され、力のある大名達から財力も軍事力も吸い上げ、戦のない世を保つために、徳川家は存続し続ける必要があります。
それだけ、天下統一、戦のない世をもたらした家康の功績は大きく、また困難な道でもあったのです。
大奥の存在があればこそ、朝廷との縁組で常に公武両輪の体制を築き、諸藩の姫を迎えることで外様大名とも縁戚関係を保つことができます。
しかしそれは、常に最上の体面を保たなくてはならないことでもあり、何より次代の将軍家を育む場でもあるため、常に幕府の財政を圧迫していました。8代吉宗公や、天璋院篤姫など、縮小や倹約に乗り出した人物は幕藩体制も後半に入ってから登場します。
余りに多くの美女を抱えたとて、お手がつく女性には限りがあり、殆どがお手がつくこともなく、虚しく若い時代を散らせて宿下りをしていく……まさに女の牢獄なのでした。
大奥 :完結?最終回、ネタバレ③大奥には正室と側室が住んでいましたか?をご紹介
正室は、言わば大奥の顔です。勿論、実務を取り仕切り政治的な役割を果たしているのは大奥総取締役ですが、表向きは御台所として側室達の動向にも目を配り、生まれた姫や若君の行く末にも影響力を持ちます。
一方の側室はと言いますと、大名、旗本、商家とその出自は様々です。何故なら、将軍の目に留まってお手がつき、子を宿す或いは産むかした女性達が、大奥に上がった時点での身分に関係なく取り立てられるからです。
男子を産めばそれこそ大金星、本人だけではなく、実家も相当な影響力を手にすることができます。しかしながら、あまりに側室の身分が卑しかったり、素行が悪かったりした場合、正室が養母として引き取り、後の将軍家に推すべく育てるということもありました。
また、朝廷や公家の干渉を嫌った幕府としては、正室が男子を産むことは歓迎されてはいなかった節もあります。
大奥 :完結?最終回、ネタバレ④大奥はいつまであったのですか?をご紹介
徳川家最後の将軍である慶喜は、15代将軍に就任しても妻子を大奥に入れることはありませんでした。既に慶喜公は、広い視野で先の国の在り方を見据えていたと言えます。
大政奉還後、勝海舟と西郷隆盛による江戸城無血開城が決まった当時、13代将軍御台所である天璋院篤姫、14代将軍御台所の和宮、そして当時の総取締役以下、僅かばかりの女達がおりました。
残された女性達は大奥に眠る装飾品や宝物を余すことなく並べ立て、大変に整然と、そしてよく清められた状態で引き渡したと言います。それこそ、見聞の役人が、土足のまま上がることを躊躇った程だと、記録にも残っています。
これ以降、明治になって天皇家に主権が戻りはしましたが、かといって大奥のように大勢の女達が覇と美を競い合うような組織は、存在していません。
大奥2024 :完結?最終回、ネタバレ⑤大奥のお品の最後は?をご紹介
実在の11代将軍家斉公の生母は、一橋家当主徳川治済の側室・お富の方とされています。ドラマの中では、倫子の侍女の公家の娘・お品として登場します。
中々後継に恵まぬ中、側室のお知保が懐妊。その頃お品は大奥専属料理人と恋仲になり、御法度であることを脅され、泣く泣く側室になることに。史実からも、先に後の家基を授かるお知保の方の牽制のために、御台所派のお品を側室にして次男を産ませたと推測できます。
しかしドラマでは、お品は次男・貞次郎を産むも、命を狙われることを懸念した家治の大芝居によって親子して大奥を出されます。
貞次郎は亡くなったことになっていますが、家治死後、田沼意次によって城に火が回り、倫子が逃げることを諦めかけた時、お品は助けに現れ、貞次郎が生きていることを明かします。そして再び倫子に仕え、母として11代将軍となる家斉つまり貞次郎を盛り立てていくのです。
大奥2024 :完結?最終回、ネタバレ⑥亀梨和也“家治”の遺志を継いだ小芝風花“倫子”の活躍をご紹介
記録でも、家治と正室・倫子の夫婦仲は、それまでの将軍家と皇女による夫婦という組み合わせには類を見ない睦まじさだったようです。この2024年版では、家治が実は将軍家の血を引いていないと田沼意次に謀られて翻弄されるところが起点になっています。
出自に苦しみ、嫡子選定にも迷いを見せて倫子に全てを打ち明けた後、実はそれが田沼の陰謀で家治は正真正銘8代吉宗から薫陶を受けし徳川の血筋であったことが判明。しかし自信を取り戻すのも束の間、家治は志半ばで倒れます。
倫子は遺命に従い、側室である友・お品やお知保と共に貞次郎を盛り立て、立派に育てていきます。そして、田沼、定信、と家治の志を折った黒幕ともいうべき人物を自害させ或いは罷免し、貞次郎を家斉として将軍に据えます。
懐の深さで敵味方を見定め、じっとその時を待ち、果断に裁可を下す倫子ならではの、鮮やかな継承手腕と言えるでしょう。
大奥2024 :完結?最終回、ネタバレ⑦大奥の田沼意次は最後どうなった?をご紹介
史実では、田沼意次は実は大変な能吏でありました。民のための開墾や、医療改革などへの意欲も強く、12代家治の元で辣腕を振るいます。ドラマでは、家治の出自を捻じ曲げて洗脳し、意のままに操ろうとしますが、それも権力というよりは国の為、でした。
家治死後は一旦は精力的に政務に励みますが、これまでの報いか、家治暗殺に関わったと囁かれてます。この疑惑がきっかけで意次は失脚。息子も殺され、ドラマの最終回で失意のうちに城に火をかけます。
史実では、老中に就任する際に借用した家系図のいざこざが元で、旗本・佐野某によって殿中にて息子・意知を殺され、凋落したとされています。
失意のうち、自らも失脚して自害して果てることとなりますが、ドラマでは、家治死後に、目の上のタンコブとなりそうな松平定信を白河藩に養子に出して遠ざけたことで息子を殺され、最終回、全てを失い大奥の炎の中で壮絶な自害を遂げるのです。
大奥 :完結?最終回、ネタバレ⑧「おしとねごめん」とはどういう意味ですか?をご紹介
大奥の第一義は、健康な世継を設けることにあります。今とは平均寿命が異なり、30代で末子の出産を終えることは珍しくありませんし、死と直結しています。しかも、12、13で嫁ぐ事が多かった武家や公家の姫達は、10代半ばには第一子を出産することも珍しくありません。
故に、常に、健康で若々しい女性に妊娠を継続させる為、既に子を設けて寵愛を受けている側室も、30になると自ら夜伽を辞退する『お褥御免(お褥滑り)』が定められていました。側室は30になると落飾し、切り髪姿となるのが通例でした。
それだけ、30を過ぎてからの出産には、子も母も命の危険があるということでもあります。対して街場の女達は、産後の肥立ちが悪くて亡くなることはあっても、30過ぎてなお、末子を産むことなど珍しくはありません
。一説には、日々座ったままの高貴な女性と、動き回る市井の女達とでは、骨格や基礎体力が違う為ではないかとも言われています。
大奥2024 :完結?最終回、ネタバレ⑨大鈴木福サプライズ出演!配役は?をご紹介
最終回、死んだはずの家治公の子供、11代家斉として登場します。実際は、一橋治済公の子供ですが、ドラマでは死んだはずが家治の嘘のおかげで生きながらえたことになっています。
幼名は貞次郎。実は、お知保の生んだ家基が竹千代です。
つまり、将軍家にとって幼名に「竹千代」を命名されるということは、押しも押されぬ次期将軍家であることを意味します。福くん演じる貞次郎は、実際は家治と倫子の養子ということになっています。
嫡男ではないものの、側室達と倫子に育てられ、聡明で意欲にあふれた好青年に成長しています。正に文武両道に優れた福くんにピッタリの役柄と言えるでしょう。
大奥2024 :完結?最終回、ネタバレ⑩浅野ゆう子の出演!配役は?をご紹介
ザ・大奥とも言うべき、これまで多くの大奥シリーズに出演された浅野ゆう子さん。大奥総取締役・瀧山殿といえばこの方です。
2024年版では、ナレーションを担い、終盤で浅光院役として登場します。頭巾を被っていることから、落飾した高貴な女性(公家出身或いは御台所か側室)ではないかと推察されますが、実は架空の人物です。
風格漂う凛とした佇まいで、大奥を統べる難しさと責任、そして権力の在り方など、王者として備えるべきものを身をもって伝えます。
やがて彼女の存在が、家治を政治家として育て、長じては寡婦となって11代将軍家への継承を担う倫子にもその重責を伝えつつ、二人の支えとなっていきます。
人の上に立つ難しさを解く稀有な存在として、家治夫婦を導く良き師として位置付けられた浅光院役は、浅野ゆう子さんを置いて演じられる方はいなかったでしょう。
大奥2024 :完結?最終回、ネタバレ⑪終盤で生まれた娘:万寿姫ってどのタイミングで生まれたのでしょうか?をご紹介
家治公が病没してのち、万寿姫を身篭っていることに気づく倫子ですが、実際は、家治が将軍家に就任する翌年に生まれ、尾張家との婚儀が整うも、母・倫子の死によって床に伏せ、13才で亡くなります。
愛する妻が残したただ一人の姫を亡くし、家治公は嘆き悲しんだと伝えられています。ドラマでは、最終回、家治が亡くなった翌年に万寿姫が生まれ、倫子が落飾した後、無事に婚儀の日を迎えるところまで描かれています。
長女の千代姫が早生(ドラマでは流産)だったため、悲しい結末の多かったドラマの、唯一の明るい笑顔に溢れた場面だったと言えるでしょう。
大奥 :完結?最終回(ドラマ・漫画)・結末のファン(自分)の感想・考察をご紹介
原作は、今のジェンダー問題にも切り込んだ、大変な意欲作であったと思います。民放ドラマがオリジナル性を重要視し、史実よりもキャラクターの作り込みを主眼にしたのに対し、NHKドラマはあくまで原作に忠実に作り込んでいます。
いつの世も女だけが……そんな呟きが聞こえる現代にも通じる、立場が逆転したらこの現象をどう感じるかと鋭く問いかけています。
NHK版には、好きでもない男に後継を産むために身を任せなくてはならない主人公への同情、民放版には男の道具のように利用される女達に同情する声が、それぞれ多く上がっていました。
原作の結末では結局男女逆転がなかったこととされ、明治の世では女は選挙権もなく、夫に逆らうこともできぬほどに押さえつけられます。しかしながら現実に、その不平等は令和の今日も至る所で綿々と続いているのです。
それだけに、女が幕府を動かしていた……フィクションとはいえ、原作のこの見事な舞台装置に舌を巻いたファンからは、驚愕と絶賛の声が多数上がっています。
以下のファンのコメントもあわせてごらんください
いちご
和宮が皇女であったことで西郷が家茂を男子と見なす。このために今までとは違い女性の将軍と女性が婚姻するという話にしてたのか。ドラマを観てたのに覚えてなくて、滝山が自害してた!?と驚いた。懐中時計に感謝。篤姫の肖像は志摩だったのね。これも忘れてた。読んでる途中で、ドラマの最終話を見直し、ほんとに原作を尊重しながらもうまいことアレンジも加えていたんだなと感じた。原作を読んだらドラマを観たくなり、ドラマを観たらまた原作を読みたくなる、そんな素晴らしい作品でした。
saki
男女逆転している事を考慮して史実と乖離しないようにうまいことつくってある。
最後の最後の終わらせ方もきれいに丸く収めた感じで納得の完結
Emma。
展開はパキパキとしてておもしろかったー
The 大奥って感じ!
女の牢獄 こわいー🫨
幕府が終わるときって
ほんとにこんな感じだったのかなあ