この記事では、アルスラーン戦記：完結？最終回、ネタバレを含む最後のラストシーンの結末！｜ファンが徹底考察！？をご紹介しております。
1986年8月に発刊されて以来、実に31年近くにわたって刊行されてきたこの作品は、2017年12月、第16巻目をもって完結となりました。
アルスラーン戦記 とは
『アルスラーン戦記』（アルスラーンせんき）は、田中芳樹先生による大河ファンタジー小説です。中世の中東に似た異世界を舞台にした物語で、戦乱の中で王太子アルスラーンと仲間たちが繰り広げる活躍を描いています。
1986年8月に第1巻が発売され、2017年12月に第16巻で完結しました。
本作は、ルシタニア王国に征服されたパルス王国を取り戻すまでを描いた第一部（第1巻から第7巻）と、隣国のミスルやチュルク、そしてかつてパルスを震撼させた蛇王ザッハークとその眷属たちとの戦いを描く第二部（第8巻から第16巻）で構成されています。
全16巻が発表され、30年以上にわたって執筆された長編作品です。
初めの10巻は角川書店の角川文庫から発売されましたが、現在は品切れで重版も未定です。光文社のカッパ・ノベルスから新装版として2巻1冊で再刊行されています。第11巻以降はカッパ・ノベルスから1巻1冊で刊行されました。
また、光文社文庫からも2012年4月から2020年8月までに全16巻が刊行されました。
たかねぎは、中学生の時にこの作品を初めて読んだ時の衝撃を忘れられません。アルスラーンとその仲間たちの勇敢な戦いと友情に心を打たれました。物語のスケールの大きさや緻密な世界観に引き込まれ、読み進めるたびに冒険の一員になった気分でした。
『アルスラーン戦記』は、壮大なファンタジーの世界で繰り広げられる戦乱と英雄たちの物語です。長年にわたる執筆と多くの読者に愛され続けてきたこの作品は、今でも多くの人に影響を与え続けています。
アルスラーン戦記 ：完結しているか？をご紹介
1986年8月に発刊されて以来、実に31年近くにわたって刊行されてきたこの作品は、2017年12月、第16巻目をもって完結となりました。途中の間隔も空きがちだったことから、一時は完結不能も危ぶまれました。
第7巻の『王都奪還』までを第一部と位置付け、第二部は第8巻の『仮面兵団』からとなります。第9巻とな『旌旗流転』までは、ほぼ毎年新刊が出ていましたが、この第9巻後、第10巻までに実に7年も間が空いてしまいます。
初刊から13年後に第10巻が、それ以降も度々間が空くことになり、古くからのファンも、ストーリーが思い出せずに最初から読み直すということもあったようです。
そして2017年の第16巻目、原作の田中芳樹先生ファンには周知されていますが、『皆殺しの田中』とご本人も仰っている通り、主要人物がバタバタと倒れていきます。
衝撃的なラストに、気を失いかけたファンもいたとか……結局ファンの思惑通りにはならない、調和とは程遠い結末を迎えます。
アルスラーン戦記 ：打ち切り説が浮上？をご紹介
田中先生は、多筆でもあり、遅筆でもあることは、ファンなら誰でも知っています。また、中華系の創作に傾倒されている間、色んな作品が足止めを食らっているような状態になることもしばしばでした。
この作品も、『王都奪還』までグイグイとファンを引っ張り、夢中にさせてくれますが、そこから先、アルスラーンが王となってから、度々足踏みのような状態になります。漫画は既に20巻を数えていますが、膨大な原作を漫画化することは容易ではありません。
完結こそしてはいませんし、打ち切りの話も制作サイドから出ているわけではありませんが、原作の発刊に時間がかかれば、漫画化はそれ以上にかかります。また、一方では、第一部での終結が、作品としても余韻が残って良いのでは、との見方もあります。
アルスラーンが王としての資質を身につけ、やがて自らその手で王位につく……しかし、その先のどんな結末にも目を覆うわけにはいかないのが真のファン。いつか続巻が出ることを、一日千秋の思いで待つしかないようです。
アルスラーン戦記 ：結末がひどい？理由をご紹介
個人的には、第15巻でナルサスが死んでしまう時点で心臓鷲掴みの衝撃ではありましたが……このように、アルスラーンを黎明期から支え続けてきた武将達を含めた16翼将が次々に命を落としていきます。
かといって、必ずしも武将らしい死に方が用意されているわけでもなく、キャラクターの来し方に反するような散り方をした武将も少なくありません。
蛇王ザッハークと正面から戦ったダリューンは、正に戦士の中の戦士たる戦死であったと言えますが……。何と、主役のアルスラーンも、ザッハークと相討ちとなって散るのです。
これでは何のために戦ってきたのか……アルスラーンがザッハークを倒して正義を取り戻し、パルスを再建するのではと思い描いていたファンにとっては、正に悶絶・気絶、驚天動地の展開でしかありません。
一方で、綺麗事で終わらないからこそ、物語がファンの中で生き続けるとの見方もあります。
アルスラーン戦記 ：完結？ネタバレを含むあらすじ・見どころをご紹介
まずは王子アルスラーンの受難、王位に相応しい資質を得るべく自ら旅に出て仲間を得て大きな力を持つまで、そして、王都を奪還するまでの第一部。
そして、パルス元国王アンドラゴラス王の体を乗っ取って魔導士によって復活した蛇王ザッハークに翻弄され、アルスラーンに王位奪還を阻止されたヒルメスが暗躍し、パルス包囲網を仕掛けていく第二部とに、物語は大きく分かれています。
第一部が人間成長物語的な側面もあってキャラクター達も活躍の場が多く用意されていた反面、第二部では魔軍や魔物、魔導士など、人間以外の登場人物達との戦いが多く、アルスラーンを黎明期から支え続けてきた16翼将達も、次々と魔族の強敵と相討ちとなって倒れていきます。
第一部での分厚い人間描写は必読で、アルスラーンの助さん角さんことナルサスとダリューンとの友情や信頼の深さも物語に深みを加えています。
対して第二部では、第一部で取りこぼしてしまった者達、温情をかけて生かしてしまった者達から、この上なく酷い仕返しをされ続け、アルスラーン本人も死力を尽くさなくてはならなくなります。
親しい者達の死に様を見送りながらも、宝剣ルクナバードを手に、真の王者として蛇王ザッハークと戦い、相討ちとなって果てるのです。
アルスラーン戦記 ：完結？最終巻（小説）のネタバレを含むストーリーをご紹介
アンドラゴラス王を依代として蛇王ザッハークがパルス国内の反アルスラーン軍を終結させます。
最終決戦に向けて、一つ一つ戦いに勝ち進み、エクバターナに。尊師の弟子も最後の一人が倒され、やがて、アルスラーン率いるパルス軍、ザッハークと尊師率いる反アルスラーン軍と魔軍とチュルク軍の連合軍、そして単体で暗躍するヒルメス、この三つ巴の様相を呈します。
16翼将が次々と倒れて行く中、仇敵ヒルメスもまたダリューンに討たれます。しかしダリューンもまたザッハークに破れ、とうとうアルスラーンは残った仲間の命を守るため宝剣ルクナバードでザッハークと一騎討ちに。
そしてザッハークの頭部から腰までを両断するものの、自身も心臓にザッハークの剣を突き刺され 、19才の若さで命を散らしてしまいます。
結局、6カ国が王を失い、小さな領主単位で縄張りを争う『暗黒時代』が始まります。そんな中、命を拾ったギーヴやエラム、ファランギースは、国としての体を失ったパルスを捨て、シンドゥラ国に身を寄せますが、これまた病死が続きます。
生き残ったエラムだけが結婚してキシュワードの子・アイヤールを育て、やがてその子・ロスタムに宝剣ルクナバードを託し、二人にペシャワール城攻略を託します。
頼もしい二人の後ろ姿に安堵し、エラムは少年の姿に戻り、あの世から迎えにきたアルスラーンと16翼将達と共に笑顔で旅立ちます。
アルスラーン戦記 ：完結？最終回（アニメ：第1期）のネタバレを含むストーリーをご紹介
アルスラーン戦記は、角川書店から劇場用、OVAとしても製作されています。地上波でのテレビアニメは、別冊少年マガジンにおいて2013年から発売されている荒川弘による漫画を原作としています。
ルシタニアに侵略され、初陣で敗退しダリューンと共に落ち延び、まずはダリューンの知人で軍師となるナルサスと従者エラムと心を通わせ、その人間力で一騎当千の強者たちを仲間に加えていきます。
実は王族としての血を継いでいないアルスラーンですが、真の王としての資質を身につけ、諸侯とも交誼を結び、着実に力をつけていきます。
その一方、アンドラゴラス王の策略によって王位を簒奪された甥のヒルメスは、銀仮面卿としてアルスラーンを執拗に追い詰めます。
やがてシンドゥラ国の王位継承問題にも関わったアルスラーンは不可侵条約を結ぶことで背後の憂いをなくし、万全の体制で王都奪還へ向けて進軍します。まずは聖マヌエル城でルシタニア軍率いるヒルメスと激突し、大きな犠牲を払いながらも勝利を得ます。
そして勝利の美酒に酔う一方で、彼はルシタニア人の娘と宗教について意見を交わしながらも、亡くなったルシタニア兵を彼らの信じる宗教の祈りで葬るように配慮します。
やがてアルスラーンの王としての包容力に心を許したルシタニア兵も軍に加わり、いよいよ王都奪還に挑みます。
アルスラーン戦記 ：完結？最終回（アニメ：第2期）のネタバレを含むストーリーをご紹介
脱獄したアンドラゴラス王により追放されたアルスラーンは、王と決別する覚悟を決めます。一方のヒルメスは、もう少しのところで宝剣ルクナバードをルシタニア側に取られてしまいます。
王都では、王弟ギスカールによってイノケンティスが幽閉され、分裂の様相を呈していました。
第1期では25話の壮大な量でしたが、第2期は全8話で終わっています。
追放されたアルスラーンと、ナルサス得意の策略で合流することができた一騎当千の強者たち。港町ギランで町のために力を貸し、後に王都奪還の際の民心を掌握するための援助を得ることとなります。
内部分裂で混乱するルシタニア側、旧臣らを集めて兵力を戻したアンドラゴラス王、王位奪還を企む昼メス、そして王の血を持たぬながらも王都の奪還と民の平穏を祈る王太子アルスラーン。この三つ巴の戦いの火蓋が切って落とされるところで、アニメ第二期は終わりを迎えます。
宝剣ルクナバードについても原作ほど厳密には語られておらず、それゆえに第3期への伏線なのではとの声もありますが、今の所第3期製作の話にまでは至っていません。
アルスラーン戦記 ：最終回、ネタバレ①アルスラーン戦記で生き残った人は誰ですか？をご紹介
翼将の中では、唯一エラムが生き残り、68才まで活躍します。元々は奴隷の両親のもとに生まれましたが、ナルサスが家督を継いだ時に行なった奴隷解放で自由の身に。そのことに感謝した両親の遺言によってナルサスに仕えることとなった人物です。
アルスラーンとは年も近く、身分を超えた交流によって無二の親友となりました。
蛇王ザッハークとの一騎討ちでアルスラーンが亡くなる寸前、エラムは宝剣ルクナバードの後継をギーヴやファランギースと共に探すよう託されます。
やがて、シンドゥラ国のパルス人自治区に移り住んだ彼は結婚し、キシュワードの子アイヤールを育てます。
やがて昔の仲間が全て亡くなり数十年後、やはり世代交代したシンドゥラ国王の進言で、パルス再統一を胸に、立派な武将に成長したアイヤールと、その子ロスタムと共に進軍します。
しかし遺言を果たせていない事を気に病むエラムは、ふとロスタムに宝剣を抜かせると、我が意を得たりとばかりに剣が鞘走ります。
やがて二人の活躍でペシャワール城は陥落し、責任を果たし終えたエラムは、迎えに来たアルスラーンや仲間たちと共に、少年の姿に戻って旅立つのでした。
アルスラーン戦記 ：完結？最終回（小説・アニメ）・結末のファンの感想・考察をご紹介
『皆殺しの田中』は健在!! とばかりに、16翼将がバタバタと倒れていった後半戦。しかも、その後のパルスを担うであろうと思われたアルスラーンが、まさかの蛇王との相討ち!!
やはりな……と田中ファンなら頷いてしまうところかもしれません。第一部の、あの壮大で深部まで丁寧に書き込まれた人物描写によって惹きつけられたファンは、第二部の中盤を過ぎたあたりから、何やら雲行きが怪しくなるのを感じていた事でしょう。
中華ものにのめり込み過ぎ、他の長編と平行していて抱え過ぎ、アルスラーン忘れた? などのネットでのざわめきも記憶に新しいところです。発刊が飛び飛びであったこともそうですが、終わらせるための執筆……になってしまっていると感じるファンがいることも事実です。
アニメ作品が第2期で終わってしまっているのも、土台となっている漫画作品が早々と原作に追いついてしまい、原作の完結を待ちきれなかった故でもあります。
長編作品の難しさでもありますが、それでもやはり、夢中で読みふけった、あの記憶に残る稀代のファンタジー作品であることには変わりはありません。
