この記事では、ベルサイユのばら：完結？最終回、ネタバレを含む最後のラストシーンの結末！｜ファンが徹底考察！？をご紹介しております。
池田理代子先生の不朽の名作とも言えるこの作品は、1972年から1973年まで週刊マーガレットにて連載され、完結しています。連載から50年以上を経ても色褪せず、実写映画、舞台、アニメと、幅広いジャンルで愛されています。
ベルサイユのばら とは
『ベルサイユのばら』は、池田理代子先生による漫画作品です。1972年から1973年にかけて『週刊マーガレット』（集英社）で連載され、フランス革命前から革命初期のベルサイユ宮殿を舞台にしたフィクションです。
物語は男装の麗人オスカルとフランス王妃マリー・アントワネットを中心に展開され、特にフランス革命に至る悲劇を描いています。宝塚歌劇団による舞台化が大成功を収め、その結果、作品の人気が社会現象にまで発展しました。
この作品は、オーストリアの作家シュテファン・ツヴァイクの小説『マリー・アントワネット』に感銘を受けた池田が、史実を参考にして描いたものです。
作中で描かれるオスカルの軍服は、実際のフランス革命期のものではなく、ナポレオン帝政期の豪華なデザインを基にしています。連載終了後も、新書版や文庫版などの多くの単行本が発売され、累計発行部数は2000万部を突破しました。
また、2022年に50周年を迎えたことを記念して、展覧会や完全新作の劇場アニメの制作が発表されました。劇場アニメは2025年新春の公開を予定しています。
ベルサイユのばら ：完結しているか？をご紹介
池田理代子先生の不朽の名作とも言えるこの作品は、1972年から1973年まで週刊マーガレットにて連載され、完結しています。連載から50年以上を経ても色褪せず、実写映画、舞台、アニメと、幅広いジャンルで愛されています。
シュテファン・ツヴァイク作の小説『マリー・アントワネット』に感銘を受けた池田先生が、マリー・アントワネットと、創作上のキャラクターであるオスカルという、二人の対照的な女性を軸にフランス革命期を描ききっています。
史実通りの登場人物のドラマ展開に、オリジナル人物が絶妙に絡み、あたかも現実にオスカルたちがそこに息づいていたかのような錯覚さえ感じます。歴史書の人物が、絢爛豪華に、愛憎入り混じる人生を背負って肉付けされた姿で蘇るのです。
史実にも忠実に、細かく調査し尽くされた構成は、まるで歴史の教科書のよう。この作品を読んでフランス革命に詳しくなったファンもいることでしょう。その緻密な史実に、心を揺さぶる人間ドラマを絡めたところに凄さがあるのです。
そう、この作品は、ただの歴史作品ではなく、フランス革命という逃れられない歴史の歯車の中で懸命に己の人生を生き抜いた人々の、壮大な愛の物語でもあるのです。
ベルサイユのばら：映画化（2025年版）の動向をご紹介
アニメでの劇場版では、オスカル役に沢城みゆきさん、マリーアントワネットに平野綾さんと、実力・人気共に不動の声優陣をキャスティング。
キャラクターは、かつてのテレビ放映のキャラクターデザインを彷彿とさせる美しい絵柄で、あのテレビシリーズに食いついていたファンには涙無くしては見られない懐かしさでしょう。
キービジュアルも公式サイトで紹介されており、嗚呼、あの美しき王朝絵巻が再び!! と期待に胸が膨らんだ方も多いと思います。勿論、フェルゼンはじめ、原作やアニメを知らなかった世代にも入りやすいキャラクタービジュアルに多少変わっているところもあります。
ということは、焼き直し、ではなく、懐かしさと気高さはそのままに、全く新しい『温故知新型』劇場版アニメと言えるかもしれません。
ただ、史実が背景にある以上、劇場版の尺に収めることは大変な至難の業だと思います。肝心な人間ドラマが色褪せることなく、どう重厚に紡ぎ出されるのか、期待が高まるところです。
ベルサイユのばら：映画化（2025年版）による関係者のコメントをご紹介
声優陣、スタッフ陣とも、コメントには原作への深いリスベクトの言葉が並んでいます。特に声優陣は、アニメ版で舞台俳優でもあった当時の声優陣への憧憬の言葉も見られました。沢城みゆきさんは、テレビシリーズでオスカルを演じていた田島令子さんの名演に言及しているほどです。
確かに、宝塚歌劇団では毎年のように時のトップスターがオスカルらを演じ、アントワネットに至っては実写映画も多数作られているほどです。
最早、世界の『ベルばら』と言っても過言ではないでしょう。
出演者ばかりか制作スタッフのコメントからも、バイブル的な思いと覚悟を持って取り組んでおられることを窺い知ることができます。
そして何よりマリーアントワネットの別称『ロココの女王』たる絢爛豪華な舞台背景。この世界観こそが、ベルばらが愛される最大の要素でもあるのです。
TV放映時代には無かった技術を駆使して、監督、キャラクターデザイン、脚本を女性が担っているスタッフチームが、緊張感を持って制作に取り組んでおられる様子が、コメントの一端からも見て取れます。
数々のメディアで上演されてきた作品であるだけに、ストーリーもよく知られています。原作への深いリスペクトを持ったプロによる最強の布陣、上映が楽しみです。
ベルサイユのばら ：完結？ネタバレを含むあらすじ・見どころをご紹介
オーストリア皇女のマリー・アントワネットは、フランスとの政略結婚で、ルイ15世の孫である後のルイ16世に嫁ぎます。堅苦しい宮廷の中で政略に翻弄され続ける日々の中、近衛隊隊長で男装の麗人オスカルの嘘のない人柄に触れます。
貴族の贅沢と欺瞞に満ちた宮殿に暗雲が立ち込める中、ルイ16世が即位、アントワネットは王妃となります。既に贅沢に染まったアントワネットの心にはいつでも孤独があり、スウェーデンの王侯貴族フェルゼンに救いを求め、深い仲になっていきます。
一方のオスカルは、従者アンドレの深い愛に気付くことなく、平民と貴族の間の格差に疑問を抱き、近衛隊から衛兵隊に身を投じます。やがて革命の様相を呈してきたパリ。アントワネットは漸く子供に恵まれて初めて、贅沢から離れ、国母として気高く生きる道を模索しますが、時既に遅し。三部会の有様に激怒した民衆がバスチーユを攻撃。
出陣したオスカルは、国王軍から市民を守る側へと土壇場で寝返ります。激戦の中、前夜に結ばれていたアンドレがオスカルを庇って死に、やがてオスカルも砲弾の露と消えます。一方、危険を承知でフランスに戻ったフェルゼンは一家の国外逃亡を図るも失敗。
逃げ落ちた故国で国王とアントワネットの処刑を知ることとなります。フェルゼンは十数年の後、国王一家逃亡に失敗したその日に民衆に虐殺されるのでした。
ベルサイユのばら ：完結？最終巻（漫画）のネタバレを含むストーリーをご紹介
バスチーユ監獄襲撃の最中フランスに舞い戻ったフェルゼン。既に、バスチーユの戦闘でオスカルもアンドレも帰らぬ人となっていました。宮殿では漸く暴動ではなく革命だと認識し、善後策に乗り出します。
世情は混乱しパリには食べ物もなく、困窮した市民がヴェルサイユを襲撃します。有力貴族たちは我先にと国を捨てて逃げ出します。国王一家も、フェルゼンの画策で逃亡を図りますが、国境付近のヴァレンヌで、捕まってしまいます。
そのままフェルゼンと別れ、国王一家はパリへ護送され、革命のるつぼの中に放り出されます。それでも諦めないフェルゼンは再度チュイルリー宮に忍びこみ、初めてアントワネットと結ばれますが、救出は拒まれてしまいます。
やがてタンプル塔に閉じ込められても決して革命を許さず、誇りを失わないアントワネット。しかし無情にも王政は廃止され、共和制が宣誓されてしまいます。そしてたった1票差でルイ16世の処刑は決まるのでした。
徐々に、アントワネットは追い詰められていきます。義妹、長女、息子と引き離され、また裁判にかけられ衆目の前で屈辱を受け続けます。しかし共和制といっても国民公会は対立派閥による粛清の嵐で混乱を極めており、裁判もほぼ出来レースのように革命派の裁判官によって死刑が確定します。
やがて、ロココの女王はみすぼらしい服にざんばらに切られた髪をボンネットで覆い、後ろ手に縛られて肥桶用の荷馬車に乗せられて刑場へ、しかし彼女はしっかりと顔を上げ続け、誇り高く堂々とギロチンの露と消えます。
フェルゼンは、愛する人を救えなかった事に苦しみ、彼女を殺した平民達に苛烈な圧政を強いる権力者に変貌します。そして十数年後その平民達に虐殺されるのです。
ベルサイユのばら ：完結？最終回（アニメ）のネタバレを含むストーリーをご紹介
アニメ版の場合、最終回の主眼はオスカルの死に置かれています。バスチーユで民衆側についたオスカルら衛兵隊。国王軍から集中砲火を浴びたオスカルを、アランやベルナール、隊士達やロザリーが運び、戦線を離脱。死期を悟り、降ろしてくれと懇願したオスカルは、味方の砲撃を辞めずに続けろと命令し、アラン達を戦線に戻します。
そしてアデューとの言葉を残し、息を引き取ります。その一時間後、バスチーユは陥落するのでした。原作ではアンドレの魂と寄り添って天に昇っていく描写がありましたが、アニメでは上空を飛ぶ白い鳥に、オスカルを迎えに来たアンドレの魂を投影させているとも考えられます。
話はその五年後へと飛び、ロザリー、ベルナール、アランの回想によって時間の経過が語られていきます。混乱するフランス情勢、国王一家の逃亡から逮捕、そして処刑……中でも、後年、タンプルの塔に閉じ込められたアントワネットを、ロザリーが世話をした中でのエピソードが語られます。
アントワネット処刑の日、ロザリーはアントワネットから化粧紙で作った白いバラを託されます。オスカルが好きだった色に染めて欲しいと。しかしその色が解らないと涙を浮かべるロザリーに、アランは、オスカルは解らないが、アンドレなら間違いなく白いバラのままがいいと言うだろう、と答えます。
やがてアントワネットの処刑と、その後のフェルゼンの死に様が語られ、幕を下ろします。
ベルサイユのばら ：最終回、ネタバレ①ベルばらのオスカルは最後どうなった？をご紹介
かねてより、貴族のあり方に疑問を感じ始めていたオスカル。アンドレとの身分を超えた愛を交わし、人は平等なのではとの答えに行き着きます。
バスチーユが襲撃され、出撃命令が出た朝、オスカルは父に『何が起きても、私が卑怯者ではなかったと信じて欲しい』と、案に市民側に付く事を仄めかします。
やがて、激しい初戦で、オスカルを庇ったアンドレが先に戦死します。やっとアンドレの深い愛に気付き、身分に関わらずその愛を受け入れて夫婦の誓いを交わしたばかりでした。
光と陰のように生きてきた二人だったのだと思い知るオスカル、その喪失感に戦列を離れてしまいます。彷徨い続けた朝、オスカルは再び戦意を取り戻し、衛兵隊の部下に民衆側への翻意の意志を告げます。
そして民衆側に立ち、国王軍に攻撃を続けるも、守備隊の砲撃の的となってしまい、銃弾を浴びます。戦列から離脱したアランらに路地裏に運ばれ、ロザリーやベルナール、部下達が見守る中、それでも攻撃を続けるよう命令をするオスカル。
やがて、アラン達が戦列に戻り、民衆側が総攻撃をします。その優勢ぶりを聞き、満足気に今までの人生を振り返るオスカルは、頭上を飛ぶ白い鳥に導かれるように息を引き取ります。その一時間後、バスチーユは陥落したのでした。
ベルサイユのばら ：完結？最終回（漫画・アニメ）・結末のファンの感想・考察をご紹介
まだ少年少女時代にこの作品に触れた多くのファンの間では、大人になって改めて作品の複雑な伏線に気付き、滂沱の涙を流したとの声が多く聞かれます。
オスカルの苦悩の意味も、アンドレの愛の深さも、フェルゼンの狂気じみた愛も、大人になったからこそ、わかるのです。それと、このフランス革命という複雑な歴史的大事件を、授業で教わっても覚えられなかったけど、ベルばらのおかげで覚えることができた! という声もあります。
また、稀代の浪費家悪女像が一人歩きしがちだったアントワネットですが、本当は大らかで世間知らずなだけの、純真なお姫様だったのでは、と思い直すきっかけになったとの声もあります。
アントワネットとフェルゼン、オスカルとアンドレ……成就した途端に破滅へと向かう悲しい時代。
アニメでは、オスカルの死を物語のラストの主軸と捉えていますが、池田先生自体は、オスカル死後のアントワネットの死までをむしろ描き切りたかったのではとの見方もあります。
原作ではたっぷりページ数を割いてあるアントワネットの最期の日々。もっと早く子供に恵まれていれば、もっと早く誇りに目覚めていれば……それどころか、アントワネットではなく当初の予定通り、しっかり者の姉皇女が嫁いでいれば、専制君主制だけでも守れたのでは、などという突飛な声もありました。
いや、だからこそ、変革すべき時代に選ばれた悲しき徒花だったとも言えるのではないでしょうか。
